ジンペイの過去について、作中で明示されている情報は多くない。でも断片的な描写を積み上げると、いくつかのことが見えてくる。
まず父親について。
ジンペイはライムとの会話の中で「レスキュー隊員だった父さん」と過去形で語っている。現在の職業として語っていない。小4以降の回想に父親が登場せず、公式アカウントが投稿したジンペイと父親の絵は幼少期のもののみだ。現在の二人が並んだ絵は存在しない。
これらを額面通りに受け取るなら、父親はすでに亡くなっている可能性が高い。「レスキュー隊員だった」というのは過去の職業の話ではなく、もうその人がいないことを示している可能性がある。
次に出生地について。
高等部編の冒頭で、ジンペイの母親が運ばれていた病院が大阪駅近くのビルの周辺と思われる描写がある。少なくとも出生時は関西圏にいた可能性が高い。ただしジンペイも父親も訛りがない。兵庫出身の場合、標準語に近い話者が存在するため矛盾はしない。
コマくんと出会った小学校の周囲のキャラクターも訛っていないため、その時点では関東圏にいた可能性がある。つまり関西から関東への転居が間にあった可能性がある。
小学校時代の生活環境も気になる点がある。ゲームの会話で、小学校のトイレでこっそりラップの練習をしていたことが明かされている。家でやればいい練習をわざわざ人目のない場所でやっていた。夏休みに帰省しなかった、あるいは帰る場所がなかった可能性を示す描写もある。
現在の生活環境については、家事を一通り自力でこなせることと、金銭的には困っていない様子があることくらいしか描写がない。誰と暮らしているかについての明示的な描写がない。
空白が多い。でもその空白の形から、そこに何があったかをある程度推測することはできる。ジンペイが自分の過去をほとんど語らないのは、語って楽しくなる話がそこにないからかもしれない。